大腿骨頭壊死

概要・推奨

概要

  • 特発性大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭への血流が何らかの原因で滞り、骨組織が壊死に陥る疾患です。外傷や潜函病など原因が明らかなものを除き、ステロイドの全身投与や習慣的な飲酒などの関連因子はあるものの、発生機序が解明されていないものを指します。
  • 男女比は1.2~2.1:1で男性に多く、男性では30~59歳の割合が高く、女性では20~79歳まで幅広く分布しており、若年期から壮年期に好発する疾患です。
  • わが国における2014年の年間受療患者数は23,100人と推定され、有病率は人口10万人あたり18.2人と報告されています。
  • 危険因子は、ステロイドの全身投与、飲酒、喫煙です。また、全身性エリテマトーデス(SLE)などの基礎疾患も関連が深いとされています。
  • 多因子遺伝病である可能性が示唆されており、個人の病気のなりやすさ(疾患感受性)も関与していると推測されています。
  • 骨頭内に虚血が生じて発生すると考えられていますが、虚血に至る詳細な機序は不明です。ステロイド関連では、投与後2ヵ月以内に虚血が起きる可能性があるとされています。
  • 一度発生した壊死域の大きさは、ほとんどの症例で変化しないとされています。
  • 壊死領域が荷重部の2/3を超える大きなものでは骨頭が圧潰しやすく、病状が進行しやすい傾向があります。一方、片側例で、対側に壊死が新たに発生することはまれです。
  • 他の部位に骨壊死を合併する多発性骨壊死もみられ、その頻度は膝関節、肩関節、足関節の順に多いと報告されています。

推奨

  • 保存療法として、松葉杖などによる免荷は疼痛の緩和に有用ですが、骨頭圧潰の進行を予防する長期的な効果については不明です。
  • 体外衝撃波、電磁場刺激、高圧酸素療法は疼痛の改善に効果がある可能性がありますが、骨頭圧潰の進行を予防する長期的な効果は不明です。
  • 薬物療法として、ビスホスホネート製剤(アレンドロネート、ゾレドロネート)が検討されますが、骨頭圧潰を抑制する長期的な効果は明らかになっていません。