僧帽弁狭窄症
概要・推奨
概要
- 僧帽弁狭窄症(MS)の病因のほとんどはリウマチ性ですが、先進国ではその発生率は大幅に減少しています。一方で、高齢者では弁輪石灰化などの変性によるMSが増加していますが、重症化することは稀です。
- 主な病態は、弁の狭窄による左房から左室への血液流入障害です。これにより左房圧が上昇し、肺静脈圧も上昇して呼吸困難などの症状が出現します。
- 運動、妊娠、頻脈などで初めて症状を認めることが多く、病状の進行とともに心拍出量は低下し、肺高血圧をきたします。
- 左房は拡大し、心房細動や左房・左心耳内血栓形成をきたすことがあります。
- リウマチ熱に罹患した後、およそ15~20年の無症状期間を経て症状を発現することが多いです。
- 僧帽弁口面積(MVA)は年間平均で約0.09 cm2程度縮小すると報告されています。
- 僧帽弁口面積(MVA)が1.0 cm2未満を重症、1.0~1.5 cm2を中等症と定義します。
- 診断は主に心エコー図検査で行われ、重症度や血行動態の評価に有用です。
推奨
- 薬物治療を行っても労作時呼吸困難の症状があり、MVAが1.5 cm2以下の中等症および重症MSでは、外科手術または経皮的僧帽交連切開術(PTMC)による治療介入が推奨されます。
- 無症状の中等症以上のMSでも、運動負荷試験で症状が出現した場合や、肺動脈収縮期圧が60 mmHg以上となる場合には治療介入を検討することが推奨されます。
- 無症状の中等症以上のMSで、新規に心房細動が発症した場合や、塞栓症を繰り返す場合には治療介入が推奨されます。