舟状骨骨折
概要・推奨
概要
- 手根骨骨折の中で最も頻度が高い骨折です。
- 主に、転倒して手をつくなどにより、手関節が背屈・橈屈強制されて発生します。
- 10代後半から30歳代前半の若年男性に多く発生します。
- 受傷初期の単純X線写真では骨折線が不明瞭なことがあり、見逃されやすい骨折(不顕性骨折)として知られています。
- 舟状骨は血行が乏しく、特に近位1/3の骨折では偽関節や骨壊死を合併するリスクが高いです。
- 診断の遅れや不適切な治療は、偽関節、骨壊死、変形性手関節症(SNAC wrist)につながり、手関節機能に重篤な後遺症を残す可能性があります。
推奨
- スナッフボックス(嗅ぎタバコ窩)の圧痛など舟状骨骨折が臨床的に強く疑われるにもかかわらず、初期の単純X線写真で骨折が確認できない場合、ギプス固定を行った上で1~2週間後に再評価するか、MRIやCTなどの追加画像検査を行うことが推奨されます。
- 転位のない安定型骨折に対しては、ギプス固定による保存治療が推奨されます。
- 転位を伴う骨折、不安定型骨折、および近位1/3の骨折は、偽関節や骨壊死のリスクが高いため、外科的治療が推奨されます。