機能性ディスペプシア

概要・推奨

概要

  • 機能性ディスペプシア(FD)とは、「症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないのにもかかわらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患」と定義されます。
  • 国際的な診断基準であるRome IV基準では、FDの症状を「食後膨満感」「早期満腹感」「心窩部痛」「心窩部灼熱感」の4つとし、このうち1つ以上が6カ月以上前から存在し、直近3カ月間持続しているものと定義しています。
  • Rome IV基準では、食後膨満感や早期満腹感を主体とする病型を「食後愁訴症候群(PDS)」、心窩部痛や心窩部灼熱感を主体とする病型を「心窩部痛症候群(EPS)」の2つに分類しています。
  • 日本の日常診療では、患者が医療機関を受診するまでの期間が短いことが多いため、Rome基準の期間定義は必ずしも適していません。そのため、慢性期間の判断は、実際に患者を診療する医師に委ねられています。

推奨

  • 生活習慣指導や食事療法を行うことが推奨されます。具体的には、少量ずつの頻回食、高脂肪食を避ける、禁煙、飲酒やコーヒー摂取を控えることなどがあげられます。
  • 酸分泌抑制薬では、プロトンポンプ阻害薬(PPI)とヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2RA)の使用が推奨されます。カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の使用も提案されます。
  • 消化管運動機能改善薬では、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬(アコチアミド)の使用が推奨されます。ドパミン受容体拮抗薬やセロトニン5-HT4受容体作動薬の使用も提案されます。