突発性難聴、急性低音障害型感音難聴、外リンパ瘻

概要・推奨

概要

  • 突発性難聴は、突然に発症する原因不明の高度な感音難聴で、急性感音難聴の代表的な疾患です。一側性の高度感音難聴の原因として最も高頻度に認められます。主な症状は突然の難聴であり、耳鳴、耳閉塞感、めまいを伴うことも多いです。原因は特定されておらず、循環障害やウイルス感染などが推定されています。再発は一般に多くはないが、一定割合で再発が報告されているため、経過中に症状の反復を認める場合はメニエール病や聴神経腫瘍など他疾患も含め再評価が必要です。
  • 急性低音障害型感音難聴は、急性あるいは突発性に発症する感音難聴のうち、障害が低音域に限定された疾患です。主な症状は、耳閉塞感、耳鳴、難聴などの蝸牛症状で、めまいは伴いません。難聴は一側性の場合が多いですが、両側性の例も6.8%程度に認められます。病態として内リンパ水腫の関与が考えられており、メニエール病に移行することもあります。
  • 外リンパ瘻は、内耳の外リンパ腔と周辺の組織との間に瘻孔が生じ、外リンパが漏れ出すことで、めまい、耳鳴、難聴などが生じる疾患です。症状は突発性、変動性、進行性の難聴や、めまい、耳閉塞感など多様です。外傷、圧外傷、あるいは明らかな誘因なく発症することもあります。

推奨

  • 突発性難聴の診断では、他の原因による難聴を除外する鑑別診断が重要です。聴神経腫瘍など後迷路性難聴との鑑別のためにMRI検査を行うことが推奨されます。
  • 突発性難聴の治療は、発症後早期に開始することが推奨されます。初期治療として、ステロイド剤の全身投与が提案されます。ステロイド全身投与で改善しない突発性難聴に対するサルベージ治療として、ステロイド鼓室内投与が推奨されます。抗ウイルス薬は有効性を支持するエビデンスはなく、使用しないことが強く推奨されます。
  • 急性低音障害型感音難聴は、純音聴力検査で低音域に限定された感音難聴であることを確認して診断します。治療としては、その推定病態である内リンパ水腫の改善を期待して、浸透圧利尿剤の投与が提案されます。ステロイド剤の使用も選択肢の一つとして提案されます。