先天性代謝疾患

概要・推奨

概要

  • 先天性代謝疾患は、遺伝子の変異によって特定の酵素や輸送体などが正常に機能しなくなり、体内の代謝経路に異常が生じる疾患群の総称です。
  • 個々の疾患は稀ですが、全体として約5,000人に1人の割合で発生し、決して稀な疾患群ではありません
  • 新生児期や乳児期に哺乳不良、嘔吐、意識障害、けいれんなどで急性発症するものから、発達の遅れや退行など慢性的に進行するもの、あるいは感染症などを契機に急激に悪化するものまで、臨床像は極めて多様です。
  • 病態に基づき、アミノ酸代謝異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症、糖質代謝異常症、ライソゾーム病、ペルオキシソーム病、ミトコンドリア病などに分類されます。
  • 多くの疾患では、早期に診断し適切な治療を開始することが、予後の改善に極めて重要です。

推奨

  • 対象疾患の早期発見と早期治療介入のために、新生児マススクリーニングの実施が推奨されます。
  • 原因不明の意識障害、けいれん、繰り返す嘔吐、発達の遅れ、代謝性アシドーシス、高アンモニア血症などを認める場合には、先天性代謝疾患を鑑別に挙げることが推奨されます。
  • 診断にあたっては、血中アミノ酸分析、尿中有機酸分析、血漿アシルカルニチン分析などの特殊生化学的検査の実施が推奨されます。