せん妄
概要・推奨
概要
- せん妄は、身体疾患や薬剤などを原因として急性に発症する、注意の障害と意識レベルの変化を特徴とする脳機能障害です。
- 思考の混乱、見当識障害、記憶障害、幻覚、妄想などの精神症状を呈し、症状が1日の中で変動することが特徴です。
- 症状の現れ方により、興奮や不穏を伴う「過活動型」、活動性が低下する「低活動型」、両者が混在する「混合型」に分類されます。
- 成人重症患者におけるせん妄の発生率は高く、集中治療室(ICU)では80%以上の患者に発症すると報告されています。また、がん患者においても高頻度に認められ、終末期には88%に達するとされています。
- せん妄の発症は、死亡率の増加、入院期間の延長、せん妄から回復した後の長期的な認知機能障害など、患者の予後悪化と関連しています。
推奨
- 成人重症患者に対しては、妥当性が確認されたツールを用いて定期的にせん妄を評価することが推奨されます。
- せん妄の評価ツールとして、集中治療室(ICU)ではCAM-ICU(Confusion Assessment Method for the ICU)やICDSC(Intensive Care Delirium Screening Checklist)の使用が推奨されます。
- せん妄の発症予防として、修正可能な危険因子を減らし、認知機能、睡眠、運動、聴力、視力を最適化するための多角的な非薬理学的介入を行うことが提案されます。