脊髄腫瘍
概要・推奨
概要
- 脊髄腫瘍は、脊髄あるいは脊髄近傍に発生する腫瘍の総称です。発生部位により髄内腫瘍、硬膜内髄外腫瘍、硬膜外腫瘍に分類されます。
- 発生率は人口10万人あたり年間約1人(0.74~1.60人)であり、中枢神経系腫瘍の5~8%を占めます。
- 日本における組織型別の発生頻度は、神経鞘腫(37~57%)、髄膜腫(12~16%)、上衣腫(6~11%)が多く、次いで血管芽腫(3~6%)、星細胞腫(2~5%)、海綿状血管腫(1~7%)の順です。
- 男女比は全体でほぼ1:1ですが、神経鞘腫と上衣腫は男性に、髄膜腫は女性に多い傾向があります。好発年齢は40~60代です。
- 最も一般的な症状は疼痛です。特異的な神経所見は明らかではありませんが、症状の進行速度や痛みの性状が診断の参考となることがあります。
- 診断にはMRIが中心となり、髄内腫瘍では造影効果を伴う充実性病変、脊髄の腫大、付随する嚢胞や脊髄空洞症などが典型的な所見です。
- 神経線維腫症Ⅰ型・Ⅱ型やvon Hippel-Lindau病などの遺伝性疾患に伴って発生することがあります。
推奨
- 脊髄腫瘍の診断と局在評価には、MRI検査が有用です。
- 脊髄腫瘍の確定診断には、髄液細胞診または組織病理診断が必要です。
- 多くの脊髄腫瘍では、外科的切除が治療の第一選択となります。