鼻副鼻腔悪性腫瘍(癌・嗅神経芽細胞腫・悪性黒色腫)

概要・推奨

概要

  • 鼻・副鼻腔に発生する悪性腫瘍の中では上顎洞癌の罹患率が最も高いです。
  • 上顎洞癌の組織型は扁平上皮癌が約80%を占めますが、腺様嚢胞癌や悪性黒色腫など様々な悪性腫瘍が発生します。
  • 上顎洞癌の症状は鼻閉、頰部痛、鼻出血、頰部腫脹などですが、初期には特徴的な症状を呈さないことも多く、進行すると眼球突出、視力障害、開口障害などが生じます。
  • 初診時の頸部リンパ節転移は相対的に多くはない一方、治療経過中の後発転移を含めると2〜3割程度に達する報告があります。
  • 上顎洞癌は解剖学的に眼窩や頭蓋底に近接しているため、治療に際しては整容面と機能面を考慮する必要があります。
  • 嗅神経芽細胞腫は嗅粘膜上皮を由来とする神経外胚葉性の悪性腫瘍で、希少疾患です。
  • 嗅神経芽細胞腫は篩板近辺の鼻腔で増大し、副鼻腔や頭蓋内に進展することがあります。
  • 嗅神経芽細胞腫の主な症状は片側性の鼻閉や鼻出血で、進行すると頭痛や眼球突出、複視などが生じます。
  • 嗅神経芽細胞腫の頸部リンパ節転移の頻度は約15%とされます。
  • 嗅神経芽細胞腫は10年以上経過した後に再発する症例もあり、長期の経過観察が必要です。

推奨

  • 鼻・副鼻腔腫瘍の診断では、内視鏡検査、CT、MRI、PET-CTなどで進展範囲と転移の有無を評価します。最終的な診断には病理組織学的検査が必須です。
  • 頭蓋内への進展が疑われる鼻・副鼻腔癌のT因子診断においては、MRIが有用であるため推奨されます。
  • 嗅神経芽細胞腫の診断では免疫組織染色が重要であり、腫瘍は易出血性のため生検の際は注意が必要です。