音響外傷、騒音性難聴
概要・推奨
概要
- 騒音は人体に対し、心理的影響、自律神経や内分泌系を介した生理機能への影響、そして聴覚への影響を及ぼします。
- 大きな音の振動エネルギーは、内耳(蝸牛)にある音を感じるための感覚細胞(有毛細胞)、特に外有毛細胞を障害し、感音難聴を引き起こします。
- 音が原因で生じる難聴には、極めて大きな音に短時間さらされることで起こる急性の難聴(音響外傷または急性音響性難聴)と、長期間の騒音ばく露によって起こる慢性の難聴(騒音性難聴)の2種類があります。
- 騒音性難聴は、通常5年から15年以上の長期間にわたり大きな音にさらされることで生じる、外有毛細胞の障害に伴う慢性の感音難聴です。
- 騒音性難聴の初期の特徴は、4,000 Hz付近の比較的高い音域から聴力低下が始まることです。この段階では日常会話の大部分は聞こえるため自覚症状は乏しいですが、聞き間違いが増加します。
- 耳鳴りも騒音性難聴でよくみられる症状の一つです。
- 騒音性難聴は一度発症すると治療が困難であり、現代の医療では聴力を回復させることはできません。
- 騒音へのばく露がなくなれば、その後の難聴の進行は加齢による変化以上には進まないとされています。
推奨
- 騒音性難聴が疑われる場合や、健康診断で聴力低下を指摘された場合は、耳鼻咽喉科専門医、特に日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が認定する騒音性難聴担当医に相談することが推奨されます。
- 85 dB(A)以上の等価騒音レベルになる可能性が大きい作業場では、騒音障害防止対策を講じることが推奨されます。
- 作業環境測定を実施し、その結果に基づいて作業場を管理区分(第Ⅰ、第Ⅱ、第Ⅲ)に分け、評価することが推奨されます。