B型肝炎(診断)

概要・推奨

概要

  • B型肝炎ウイルス(HBV)持続感染者は世界で約4億人、日本では約1%と推定されています。出産時や乳幼児期の感染により約9割が持続感染に移行します。
  • HBV持続感染者の病態は、宿主の免疫応答とHBVの増殖状態により、免疫寛容期、免疫応答期、低増殖期、寛解期の4期に分類されます。
  • 抗ウイルス治療の最終目標は、HBV感染者の生命予後とQOLを改善することです。具体的には、肝炎の活動性と肝線維化進展の抑制による慢性肝不全の回避、ならびに肝細胞癌発生の抑止を目指します。
  • 長期目標はHBs抗原の消失、短期目標はALT持続正常化(30 U/L以下)、HBe抗原の陰性化、HBV DNA増殖抑制の3項目です。
  • 核酸アナログ治療中のHBV DNA量の目標は、高感度のリアルタイムPCR法で検出感度未満です。慢性肝炎で核酸アナログを中止した場合や、インターフェロン(IFN)治療終了後の経過観察の指標は、HBV DNA量が2,000 IU/mL(3.3 LogIU/mL)未満を持続することです。
  • 治療薬にはインターフェロン(IFN)と核酸アナログ製剤があります。Peg-IFNは期間限定の投与で持続的な効果が期待できますが、治療効果が得られる症例は限定的です。一方、核酸アナログ製剤(ETV、TDF、TAF)は強力なウイルス増殖抑制作用を持ちますが、長期投与が必要です。
  • 治療対象の選択は、主に組織学的進展度、ALT値、HBV DNA量に基づいて判断されます。

推奨

  • HBV持続感染者に対する抗ウイルス治療の治療目標は、肝炎の活動性と肝線維化進展の抑制による慢性肝不全の回避ならびに肝細胞癌発生の抑止、およびそれらによる生命予後ならびにQOLの改善です。
  • 治療の長期目標はHBs抗原消失です。
  • 治療の短期目標は、ALT持続正常化、HBe抗原陰性かつHBe抗体陽性、HBV DNA増殖抑制の3項目です。