三尖弁狭窄

概要・推奨

概要

  • 三尖弁狭窄症(TS)の原因のほとんどはリウマチ性です。単独で発症することは稀で、多くは連合弁膜症として、特に僧帽弁狭窄症と合併します。
  • その他の原因として、先天性、カルチノイド症候群、薬剤性などがあります。
  • TSのほとんどは、重症度に差はありますが三尖弁閉鎖不全症(TR)を合併します。
  • 病態は、右室充満低下による心拍出量の低下と、静脈圧上昇による臓器うっ血です。
  • 診断には心エコー図検査が最も推奨されます。三尖弁の硬化、可動性低下、ドーミングなどを認めます。
  • 確立された重症度分類はありませんが、一般に三尖弁平均圧較差(mPG)5 mmHg以上が有意なTSとされます。
  • 重症TSを示唆する心エコー図所見には、圧半減時間(PHT)≧190ミリ秒、弁口面積≦1.0 cm2、三尖弁通過血流の速度時間積分値(VTI)>60 cm、右房・下大静脈の拡大などがあります。
  • 内科治療に関するエビデンスは乏しく、右心不全症状に対してはループ利尿薬、サイアザイド系、アルドステロン拮抗薬が状況に応じて使い分けられますが、効果が不十分な場合は、バソプレッシンV2受容体拮抗薬の使用が考慮されます。

推奨

  • TSの診断には心エコー図検査が推奨されます。
  • TSの重症度評価のみを目的とした、定型的な心臓カテーテル検査は推奨されません。
  • 心エコー図検査での評価と臨床的重症度が一致しない場合などに、心臓カテーテル検査による右室-右房圧較差の測定を考慮してもよいとされます。