胃・十二指腸の神経内分泌腫瘍(NEN), カルチノイド

概要・推奨

概要

  • 神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasm: NEN)は、神経内分泌細胞に由来する腫瘍の総称です。以前は良性腫瘍として扱われる傾向がありカルチノイドと呼ばれていましたが、現在は悪性腫瘍として認識されています。
  • WHO分類に基づき、組織学的に高分化型の神経内分泌腫瘍(NET G1, G2, G3)と、低分化型の神経内分泌癌(NEC)に大別され、それぞれ治療方針が異なります。
  • 消化管NENは、本邦では直腸に次いで胃、十二指腸に多く発生します。
  • 胃NETは、背景疾患や高ガストリン血症の有無に基づき、Ⅰ型(自己免疫性胃炎関連)、Ⅱ型(MEN1/ガストリノーマ関連)、Ⅲ型(散発性)に分類されます。Ⅰ型とⅡ型は悪性度が低く、Ⅲ型は悪性度が高い傾向にあります。
  • 十二指腸NETは、胃酸過剰分泌による消化性潰瘍や下痢を主症状とする機能性のガストリノーマと、無症状で発見されることが多い非機能性NETに大別されます。
  • ガストリノーマの多くは十二指腸に発生しますが、その約16〜25%は多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)に伴うものです。
  • 内視鏡検査では、表面が平滑で黄色調を呈することの多い粘膜下腫瘍様の隆起として観察されるのが典型的です。

推奨

  • ガストリノーマが疑われる場合、プロトンポンプ阻害薬(PPI)を1週間以上中止した上での空腹時血清ガストリン値の測定と、胃液pH測定が推奨されます。
  • 診断確定のため、内視鏡下生検や超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)が推奨されます。
  • 胃NETの治療は、Rindi分類に応じて選択することが推奨されます。