急性心不全

概要・推奨

概要

  • 急性非代償性心不全(ADHF)は、心不全の症状や徴候が悪化し、緊急の治療強化、特に生命の危機を回避する治療を必要とする状態と定義されます。
  • 一般的に、救急外来の受診や静注利尿薬での治療、または入院治療が必要な場合が該当します。
  • ADHFの病態は、肺うっ血や体うっ血といった「うっ血」と、臓器への血流が不足する「組織低灌流」によって特徴づけられます。
  • 心原性ショックや呼吸不全など、急速に心肺停止に至る可能性のある重篤な状態も含まれます。
  • ADHFの引き金となる主な病態には、心筋虚血、不整脈、感染症、貧血、薬剤、血圧の過度な上昇、治療アドヒアランス不良(怠薬や塩分過剰摂取など)があります。
  • ADHFは予後不良であり、わが国の報告では、心不全で入院した患者さんの1年以内の全死亡率は約20%、1年以内の再入院率は27~29%と極めて高くなっています。

推奨

  • 初期対応として、心原性ショックや呼吸不全など逼迫した状態では、循環動態と呼吸状態の安定化を迅速に図ることが推奨されます。
  • 診断と並行して、心筋虚血、不整脈、感染症などの増悪要因の検索と治療を行うことが推奨されます。
  • 低酸素血症(SpO2<90%)を認める場合は酸素投与が推奨されます。呼吸不全(呼吸回数>25回/分、SpO2<90%)を呈する患者さんには、非侵襲的陽圧換気(NPPV)の導入が推奨されます。NPPVで改善しない場合は、気管挿管が推奨されます。