乳房パジェット病

概要・推奨

概要

  • 乳房パジェット病は、乳頭や乳輪の皮膚にびらんや湿疹のような病変を特徴とする乳癌の一種です。
  • 全乳癌における頻度は0.2-2%と比較的稀な疾患です。
  • 組織学的には、表皮内にPaget(パジェット)細胞と呼ばれる、淡明で豊富な細胞質と大型の核小体を持つ特徴的な腺癌細胞が認められます。
  • Paget細胞は、免疫組織化学的にHER2タンパクが陽性となることが多いとされています。
  • 多くの場合、乳腺内の非浸潤性乳管癌や浸潤癌が乳管に沿って乳頭の表皮まで進展することで発症しますが、乳腺内に明らかな病変を伴わないこともあります。
  • 乳頭や乳輪に治りにくいびらんや湿疹を認める場合は、本疾患を疑い視診を行うことが重要です。

推奨

  • 臨床的に乳房パジェット病が疑われる場合は、診断を確定するために病変部の皮膚生検を行うことが推奨されます。
  • 病理診断でPaget細胞が表皮下の真皮へ浸潤している所見が認められた場合は、浸潤癌として取り扱うことが推奨されます。
  • 乳腺内に非浸潤癌や浸潤癌などの病変が確認された場合は、その病変を主たる病巣として病期(ステージ)分類や組織型を決定し、Paget病の合併は所見として記載することが推奨されます。