更年期の不定愁訴
概要・推奨
概要
- 更年期は、女性の加齢に伴う生殖期から非生殖期への移行期であり、日本では閉経の前後5年間を合わせた10年間とされています。
- 更年期に現れる多種多様な症状のうち、器質的変化に起因しない症状を更年期症状とよび、これらの症状が日常生活に支障を来す病態を更年期障害と定義します。
- 主な原因は卵巣機能の低下ですが、これに加齢に伴う身体的変化、精神・心理的な要因、社会文化的な環境因子などが複合的に影響して発症すると考えられています。
- 更年期症状は、顔のほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)・発汗などの血管運動神経症状、易疲労感・めまい・動悸・頭痛・肩こり・腰痛などの身体症状、不眠・イライラ・不安感・抑うつ気分などの精神症状から構成されます。
- 診断に際しては、主訴の原因となる明らかな器質的疾患の存在を否定することが重要です。特に、症状や好発年齢が類似している甲状腺疾患やうつ病などとの鑑別には注意が必要です。
- 血中のエストラジオールや卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定は、卵巣機能低下の推定には有用ですが、更年期障害の診断自体に必ずしも有用ではありません。
推奨
- 患者の訴えを受容と共感の姿勢で傾聴し、心理社会的な背景を理解することが推奨されます。
- 食事や運動などの生活習慣に問題がある場合は、その改善を指導することが考慮されます。
- カウンセリングや認知行動療法などの心理療法を行うことが考慮されます。