心房細動
概要・推奨
概要
- 心房細動は臨床で最もよく遭遇する不整脈であり、日本人の有病率は0.6~1.1%前後と推定されます。
- 加齢とともに有病率は上昇し、心不全、脳梗塞、認知症、死亡といった合併症の危険因子となります。
- 発症には、高血圧、心不全、冠動脈疾患、心臓弁膜症、糖尿病、肥満、睡眠時無呼吸、喫煙、飲酒、遺伝など多くの因子が関与します。
- 電気生理学的な機序としては、主に肺静脈から発生する異常興奮が引き金(トリガー)となり、心房筋の電気的・構造的リモデリングによって形成された不整脈基質がその持続に関与すると考えられています。
- 進行性の疾患であり、多くは発作性から持続性、永続性へと移行します。
- 診断には心電図記録が必須であり、12誘導心電図もしくは1誘導以上の心電図で、30秒以上明らかなP波を認めず、RR間隔の絶対的不整を認めれば診断されます。
- 治療方針は、急性期の管理、増悪因子の管理、脳梗塞の予防、症状の改善という4段階の包括的な管理アプローチに基づいて決定されます。
- 症状の改善には、洞調律を維持するリズムコントロールと、心拍数を適切に調節するレートコントロールという2つの治療戦略があります。
推奨
- 65歳以上の高齢者に検脈を行い、脈が不規則な場合には心電図検査を行うことが推奨されます。
- 脳梗塞や一過性脳虚血発作の既往がある患者には、短時間の心電図記録とその後の長期間(72時間以上)の心電図モニタリングを行うことが推奨されます。
- 心原性塞栓症のリスク評価には、CHADS2スコアを用いることが推奨されます。また、HELT-E2S2スコアの使用も考慮されます。