異物(気管・食道)(救命救急)

概要・推奨

概要

  • 異物誤飲および食物塊による嵌頓は、臨床現場でしばしば遭遇する病態です。
  • 誤飲された異物の多くは自然に消化管を通過しますが、約10~20%は内視鏡的除去を要し、約1%は外科的治療が必要となります。
  • 特に意図的な異物誤飲では、内視鏡的介入率は63~76%、外科的介入率は12~16%と高くなる傾向があります。
  • 異物誤飲は小児で最も多く、特に生後6ヶ月から6歳の間にピークがあります。小児ではコイン、ボタン電池、玩具、豆類などが原因となることが多いです。
  • 成人では、精神疾患、発達遅滞、アルコール中毒、あるいは刑務所在監中の患者に多く見られます。高齢者も義歯の不適合や嚥下機能の低下によりリスクが高く、義歯や薬剤のPTP(press through package)包装、食物塊などが原因となります。
  • 食物塊による食道嵌頓では、背景に食道狭窄などの器質的疾患が存在することが多いです。
  • 消化管の生理的狭窄部や屈曲部では、異物の嵌頓、閉塞、穿孔が起こりやすくなります。
  • 鋭利な物体、動物や魚の骨、磁石、電池、PTP包装などは、穿孔のリスクが高いため特に注意が必要です。

推奨

  • 異物除去前のバリウムを用いた嚥下造影検査は、誤嚥のリスクや、バリウムが異物や粘膜に付着し後の内視鏡処置を妨げる可能性があるため、避けることが提案されます。
  • 輪状咽頭筋またはそれより上部の異物については、耳鼻咽喉科への相談が提案されます。
  • 完全な食道閉塞(例:唾液などの分泌物を嚥下できない)を認める食物塊嵌頓や異物は、緊急の除去が推奨されます。