骨軟化症

概要・推奨

概要

  • 骨軟化症は、骨の石灰化が障害されることを特徴とする疾患です。成長軟骨帯が閉鎖する前に発症した場合は、くる病と呼ばれます。
  • 主な症状として、骨痛、筋力低下、胸郭の変形(鳩胸)、脊柱の変形、偽骨折(Looser's zone)などがみられます。
  • 血液検査では、高骨型アルカリホスファターゼ血症が特徴的であり、多くの場合、慢性の低リン血症も認められます。一方で、ビタミンD欠乏が原因の場合などでは、低リン血症ではなく低カルシウム血症が主な異常となることがあります。
  • 画像検査では、単純X線像で偽骨折(Looser's zone)が認められることがあり、骨軟化症に特異的です。骨シンチグラフィーでは、肋軟骨などへの多発性の取り込みが認められることが多いです。
  • 骨密度測定では、骨中のカルシウム含量が測定されるため、骨密度の低下が認められます。
  • 病因の多くは慢性の低リン血症であり、その原因はビタミンD代謝物作用障害、腎尿細管異常、線維芽細胞増殖因子23(FGF23)の作用過剰、リン欠乏などに大別されます。
  • 確定診断は、骨生検による類骨(骨の石灰化する前の未熟な骨組織)の増加や骨標識の異常パターンを確認することでなされます。

推奨

  • 骨密度の低下が認められる場合には、骨粗鬆症と診断する前に骨軟化症の可能性を考慮することが推奨されます。
  • ビタミンDの充足度を評価するためには、血清25-水酸化ビタミンD[25(OH)D]濃度を測定することが推奨されます。血中1,25-水酸化ビタミンD[1,25(OH)2D]濃度はビタミンD充足度の指標とはならないため、ビタミンD欠乏の診断には有用ではありません。
  • 血清25(OH)D濃度が20 ng/mL未満では、ビタミンD欠乏性の骨軟化症が惹起される可能性があります。