腎血管性高血圧症
概要・推奨
概要
- 腎血管性高血圧は、腎動脈の狭窄または閉塞によって引き起こされる高血圧であり、治療抵抗性高血圧や腎機能障害の重要な原因疾患です。
- 腎血流の低下によりレニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系が亢進し、末梢血管抵抗の増加と体液量の増加をきたすことで高血圧が生じます。
- 原因は年齢によって異なり、中・高年者では粥状動脈硬化が多く、若年者では線維筋性異形成(FMD)が多いとされています。
- その他の原因として、大動脈炎症候群(高安動脈炎)、先天性奇形、大動脈解離、神経線維腫症Ⅰ型(NF1)、結節性多発性動脈炎、川崎病、腫瘍による腎血管の圧排などがあります。
- 全高血圧患者における有病率は約1%ですが、冠動脈疾患や動脈硬化性末梢動脈閉塞症を合併する患者では、粥状動脈硬化性の腎動脈狭窄の有病率が10~25%と高くなります。
- 小児においては二次性高血圧の5~25%を占め、その約70%がFMDによるものです。
推奨
- 薬物治療では、目標血圧を達成するためにRA系阻害薬、Ca拮抗薬、β遮断薬など複数の降圧薬を併用することが推奨されます。
- 片側性の腎動脈狭窄を伴う高血圧では、RA系阻害薬の使用が考慮されます。
- 両側性の腎動脈狭窄では、RA系阻害薬は急速な腎機能障害をもたらす可能性があるため、原則として使用は推奨されません。