動物咬創、ヒト咬創

概要・推奨

概要

  • 動物咬創およびヒト咬創は、皮膚や軟部組織の物理的な損傷に加え、咬んだ動物やヒトの口腔内常在菌による創部感染のリスクを伴います。
  • 創部感染以外に、破傷風や狂犬病といった全身性の重篤な感染症を引き起こす可能性があります。
  • 破傷風菌は世界中の土壌に広く存在し、汚染された創部を介して感染します。特に1968年以前に生まれた方は、破傷風に対する抗体保有率が低いことが報告されています。
  • 狂犬病は、狂犬病ウイルスを保有する哺乳類に咬まれることによって感染する人獣共通感染症であり、発症するとほぼ100%死亡する致死的な疾患です。
  • ヒト咬創では、細菌感染に加え、B型肝炎ウイルスなどの血液を介して伝播する病原体への曝露リスクも考慮する必要があります。

推奨

  • すべての咬創に対して、受傷後できるだけ速やかに、石鹸と多量の水で創部を十分に洗浄することが推奨されます。
  • 感染のリスクを低減させるため、汚染された組織や壊死組織の除去(デブリードマン)が推奨されます。
  • 創部の一次縫合は感染リスクを高める可能性があるため、慎重に検討し、特に感染リスクの高い咬創では遅延縫合や開放管理が推奨されます。