炎症性乳癌

概要・推奨

概要

  • 炎症性乳癌は、皮膚のびまん性の発赤、浮腫、硬結を特徴とする特殊なタイプの乳癌です。
  • 真皮内リンパ管への広範な腫瘍細胞の浸潤(腫瘍塞栓)により、特徴的な皮膚所見(橙皮状皮膚など)を呈します。
  • 全乳癌の1~6%を占める稀な疾患ですが、急速に進行し、予後不良であることが知られています。
  • 臨床病期分類では、原発腫瘍の大きさやリンパ節転移の有無にかかわらず、T4dに分類されます。
  • 診断時にはリンパ節転移高率に伴い、遠隔転移も比較的高率にを伴います。
  • 乳腺炎との鑑別が重要であり、診断の遅れが予後に影響するため、迅速な診断が求められます。
  • 炎症性乳癌(IBC)は、まれで悪性度の高い乳癌であり、米国の乳癌全体の1%から6%を占めると推定されています。
  • IBCは臨床診断であり、乳房の広範囲(しばしば3分の1以上)を占める紅斑および皮膚浮腫(オレンジの皮様の外観)を特徴とします。
  • IBCのサブタイプは特定の一つに偏りがあるわけではなく分散しており、各報告によってその割合は異なります。IBCの遺伝子発現プロファイリング研究では、すべてのサブタイプが存在することが示されていますが、基底細胞様およびHER2過剰発現型がより頻繁に見られます。
  • IBCの臨床的特徴は、主に腫瘍塞栓による真皮リンパ管の閉塞に起因します。
  • IBCの診断は臨床所見に基づいて行われ、真皮リンパ管浸潤は診断に必須でも十分でもありません。
  • 鑑別診断には、乳房の蜂巣炎や乳腺炎が含まれます。
  • IBCの患者は、非炎症性の局所進行乳癌の患者と比較して、予後が不良であり、発症年齢が若い傾向があります。

推奨

  • 皮膚の発赤や浮腫など、炎症性乳癌が疑われる所見を認めた場合は、速やかに専門医による診察を受けることが推奨されます。
  • 診断を確定するためには、組織新による乳癌の診断が必要です。
  • 治療は、術前化学療法、手術、術後放射線療法を組み合わせた集学的治療が他の乳癌と同様に標準として推奨されます。