慢性副鼻腔炎(鼻茸の治療含む)

概要・推奨

概要

  • 慢性副鼻腔炎は、鼻副鼻腔の炎症が12週以上持続する疾患です。
  • 炎症のタイプにより、主に好中球が関与する1型・3型炎症が中心の従来型の慢性鼻副鼻腔炎と、主に好酸球が関与する2型炎症が中心の好酸球性鼻副鼻腔炎に大別されます。ただし、実際には両方の病態が様々な割合で混在しています。
  • 従来型の慢性鼻副鼻腔炎は、感染や解剖学的要因、免疫・代謝などの内的要因、生活環境などの外的要因が複雑に関与して発症します。症状は膿性や粘性の鼻漏、後鼻漏、鼻閉、咳嗽などが中心です。
  • 好酸球性鼻副鼻腔炎は、鼻粘膜や鼻茸への著しい好酸球浸潤、ニカワ様の粘稠な鼻汁、両側性の鼻茸を特徴とし、篩骨洞に病変が優位なことが多いです。嗅覚障害が特徴的な症状であり、気管支喘息やNSAIDs過敏喘息を合併することが多い難治性の疾患です。
  • 診断は、症状の持続期間、鼻内視鏡所見、CTなどの画像検査を総合して行います。
  • 好酸球性鼻副鼻腔炎の術前臨床診断にはJESRECスコアが有用であり、スコア11点以上で本疾患が強く示唆されます。確定診断には、鼻茸組織中の好酸球数が400倍視野3箇所以上で平均70個以上であることを確認します。
  • 後鼻孔鼻茸は、上顎洞から発生した鼻茸が後鼻孔まで伸展したもので、片側性の鼻閉などを呈します。

推奨

  • 好中球性炎症が主体の非好酸球性慢性鼻副鼻腔炎に対しては、14員環マクロライド系抗菌薬を少量長期投与する低容量マクロライド療法が治療選択肢として考慮されます。
  • マクロライド療法は、特に鼻漏や後鼻漏などの過分泌症状が顕著な症例に有効ですが、好酸球性鼻副鼻腔炎には効果が乏しいです。
  • 大きな鼻茸や中鼻道の高度な閉塞がある症例、またはマクロライド療法が無効な症例には、内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)が適応となります。