腹部大動脈瘤

概要・推奨

概要

  • 腹部大動脈瘤とは、腹部大動脈の壁の一部が全周性または局所的に拡大または突出した状態のことです。
  • 成人の腹部大動脈の正常径は約20mmとされ、直径がその1.5倍である30mmを超えて拡大した場合に瘤と称されます。
  • 形状によって、大動脈壁が全周性に拡張する紡錘状大動脈瘤と、一部分のみがこぶ状に突出する嚢状大動脈瘤に分類されます。
  • 多くは腎動脈より下流の腎下部に発生します。
  • 原因は動脈硬化に加えて、遺伝的要因や高血圧など多くの因子が複合的に関与した変性によるものと考えられています。
  • 破裂前の大動脈瘤はほとんどが無症状ですが、腹部の拍動感や腹痛、腹部不快感を自覚することがあります。
  • 破裂すると激烈な腹痛や腰痛、出血性ショックなどの症状が出現します。
  • スクリーニング検査として腹部エコー、診断のためCT検査が行われます。
  • 内科的治療としては禁煙と血圧管理が重要です。
  • 侵襲的治療には、外科手術(人工血管置換術)と血管内治療(腹部ステントグラフト内挿術)があります。

推奨

  • 65歳以上の男性、65歳以上の喫煙歴のある女性、腹部大動脈瘤の家族歴を有する者に対しては、腹部超音波検査によるスクリーニングを考慮することが推奨されます。
  • 腹部拍動性腫瘤の触診は、簡便で有用なスクリーニング手段です。
  • 診断にはCT検査が用いられ、最大短径が30mm以上の場合に腹部大動脈瘤と診断されます。