心房細動のカテーテルアブレーション
概要・推奨
概要
- 心房細動に対するカテーテルアブレーションの標準術式は肺静脈隔離術です。しかし、特に持続性心房細動では、肺静脈隔離のみでは洞調律を維持できない症例も観察されます。
- 肺静脈隔離に加えて、左房後壁隔離、左房低電位領域へのアブレーション、マーシャル静脈へのエタノール注入(VOM-EI)などの追加焼灼手技が提唱されています。
- 症候性の発作性心房細動に対しては、クライオバルーンアブレーションが薬物治療よりも優れた第一選択治療となることが示されています。
- 従来、カテーテルアブレーションは症状改善を目的として施行されてきましたが、近年では早期のリズムコントロール治療が患者予後を改善する可能性や、アブレーションが心房細動の進行を抑制する可能性が示唆され、無症候性心房細動への適応も検討されています。
- 心不全を合併した心房細動に対するアブレーションの有効性も示されており、特に左室駆出率の低下した心不全(HFrEF)患者では、薬物治療と比較して全死亡の抑制、左室駆出率(LVEF)や生活の質(QOL)の改善効果が報告されています。左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)患者においても有効性が示唆されています。
- 新しい治療法としてパルスフィールドアブレーション(PFA)が登場しました。これは心筋細胞を選択的に傷害するため、食道や神経など周囲組織への影響が少ないと期待されています。
推奨
- 持続性心房細動に対する初回アブレーションにおいて、肺静脈隔離に追加して後壁隔離を考慮してもよいです。
- 左房低電位領域を有する持続性心房細動において、肺静脈隔離に追加して同領域に対するアブレーションを考慮してもよいです。
- マーシャル静脈(VOM)が回路の一部となっている心房頻拍で、他の方法によるアブレーションが困難である場合に、マーシャル静脈へのエタノール注入(VOM-EI)を考慮してもよいです。