免疫グロブリン性アミロイドーシス
概要・推奨
概要
- 免疫グロブリン性アミロイドーシスは、異常な形質細胞から産生されるモノクローナルな免疫グロブリンの軽鎖(ALアミロイドーシス)または重鎖(AHアミロイドーシス)に由来するアミロイド蛋白が、全身の諸臓器に沈着して臓器障害をきたす疾患です。
- 多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症などの基礎疾患を伴わない場合を原発性、伴う場合を二次性と呼びますが、WHO分類(2017)では両者をまとめて原発性アミロイドーシスとしています。
- 日本におけるALアミロイドーシスの推定患者数は、2012年から2014年の全国疫学調査で3,200例と報告されています。
- アミロイド蛋白は心臓、腎臓、肝臓、消化管、末梢神経など多臓器にわたり沈着し、多彩な臨床症状を呈します。
- 確定診断には、病理組織学的なアミロイドの証明が必須です。生検組織をCongo red染色すると橙赤色に染まり、偏光顕微鏡下で緑色の複屈折を示します。病型は抗免疫グロブリン軽鎖抗体を用いた免疫染色や質量分析で確定します。
- M蛋白の検出には、血清・尿の蛋白電気泳動や免疫固定法に加え、血清遊離軽鎖(FLC)の測定が有用です。
- 予後は不良であり、無治療例の診断からの50%生存期間は約13カ月とされています。特に心病変を有する症例は予後不良です。
- 予後予測にはNT-proBNP、トロポニンT、dFLC(involvedとuninvolved FLCの差)の値を用いた病期分類が有用です。
- 治療目標は、原因となるモノクローナルなFLCの産生を速やかに抑制し、臓器機能を温存することです。
推奨
- ALアミロイドーシスが疑われる場合、確定診断のために生検による組織学的証明が必須とされてます。
- 治療方針の決定において、自家造血幹細胞移植の適応を慎重に検討することが推奨されます。適応基準として、生理学的な年齢が70歳以下、PS(2以下)、心機能(トロポニンT 0.06ng/mL未満もしくは高感度トロポニンTが75ng/mL未満、収縮期血圧 90mmHg以上、NYHA分類でclass ⅠもしくはⅡ)、腎機能(CCr 30ml/分以上)、臓器障害が2つ未満であること、などが考慮されます。
- 移植適応のある症例に対しては、Dara-CyBorD療法(ダラツムマブ、ボルテゾミブ、シクロホスファミド、デキサメタゾン)による寛解導入療法を行い、その後に自家造血幹細胞移植を併用した大量メルファラン療法を実施することが推奨されます。