肺結核

概要・推奨

概要

  • 結核は結核菌(Mycobacterium tuberculosis)によって引き起こされる感染症です。
  • 主な感染経路は、感染者から咳嗽・喀痰などによって空気中に結核菌を含む飛沫核が放出され、それを吸い込むことによる飛沫核感染(空気感染)です。
  • 結核菌に初めて感染することを初感染と呼び、主に小児や若年者・免疫抑制者において、初感染に引き続いて臨床症状を発症することを一次結核と呼びます。多くの場合、免疫応答等により発症には至らず、菌が体内に潜伏した潜在性結核感染症(LTBI)の状態となります。
  • 成人期以降において加齢や糖尿病・悪性腫瘍に対する薬物療法による免疫抑制等によりLTBIの状態から症状を発症した場合、二次結核と呼びます。
  • 日本の結核罹患率は諸外国と比較すると高く、2020年頃までは「中まん延国」に該当していました。現在では人口10万人あたりの罹患率 8.2と低まん延国の水準に達していますが、80歳以上の高齢者の罹患率は依然として高く、また、外国出生者の結核患者数が増加傾向にあります。
  • 肺結核は時に集団発生し社会的に問題となる場合があり、常にその可能性を鑑別に挙げて対応する必要があります。
  • 臨床症状には、2週間以上続く咳、痰、血痰などの呼吸器症状と、微熱、寝汗(盗汗)、全身倦怠感、体重減少などの全身症状が挙げられますが、特異的な症状はないことに留意する必要があります。特に高齢者では症状が乏しいこともあり注意が必要です。

推奨

  • 胸部単純X線写真によるスクリーニングが広く用いられます。上肺野優位の浸潤影や結節影・空洞影を認めた場合に肺結核の可能性を考慮する必要があります。
  • 胸部CTでは細気管支レベルの分枝状陰影(tree-in-bud appearance)が特徴です。
  • 肺結核を疑った場合、喀痰抗酸菌塗抹検査を行います。Ziehl-Neelsen染色などで菌体を認めた場合は排菌あり=空気感染させる可能性がある状態であり、感染症法における勧告入院の適応となります。