自己免疫性肝炎

概要・推奨

概要

  • 自己免疫性肝炎(AIH)は、中年以降の女性に好発する原因不明の肝疾患で、通常は慢性、進行性に肝障害をきたします。
  • 肝細胞障害の成立には、自己免疫機序の関与が想定されています。
  • 臨床的には、抗核抗体や抗平滑筋抗体などの自己抗体が陽性となり、血清IgG値が高値を示すことを特徴とします。
  • 日本における推定患者数は約3万人で、男女比は1:4.3です。発症は50~70歳台に多いですが、小児期から高齢者まで全年齢でみられます。
  • 遺伝的要因として、日本ではHLA-DR4陽性率が高いことが知られています。
  • 臨床像は多彩であり、無症状で発見されることもあれば、急性肝炎様に発症したり、肝不全へと進行したりする症例も存在します。診断時にすでに肝硬変へ進展していることもあります。
  • 診断には、ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害、薬物性肝障害など、他の既知の肝障害の原因を除外することが重要です。
  • 治療には副腎皮質ステロイドなどの免疫抑制剤がよく奏効し、適切な治療が行われれば予後は良好です。

推奨

  • 自己免疫性肝炎の診断は、本邦の診断指針に沿って行うことが推奨されます。
  • 診断時には、他の原因による肝障害の除外、自己抗体の有無、血清IgG値、肝生検による組織所見(インターフェイス肝炎や形質細胞浸潤)、および副腎皮質ステロイドへの治療反応性を総合的に評価することが重要です。
  • 診断、鑑別診断、および活動性の把握のため、可能な限り肝生検を施行することが推奨されます。