梅毒(皮膚科)

概要・推奨

概要

  • 梅毒は、スピロヘータ科の細菌であるTreponema pallidum subsp. pallidum(梅毒トレポネーマ)によって引き起こされる代表的な性感染症の一つです。
  • 梅毒トレポネーマは粘膜や皮膚の微細な傷から侵入後、速やかに血行性・リンパ行性に全身へ散布され、あらゆる臓器に炎症を惹起し、他疾患と紛らわしい多様な症状を引き起こすため、「the great imitator(偽装の達人)」という異名を持っています。
  • 感染症法では5類感染症に位置づけられており、活動性梅毒と診断し、届出基準に合致する場合は、7日以内に最寄りの保健所に発生届を提出する必要があります。
  • 無治療の場合の自然経過として、潜伏期間(10~90日間)を経て、感染局所の一次病変を主とする第1期梅毒、全身に広がる二次病変を主とする第2期梅毒へと進行します。その後、症状のない潜伏梅毒の時期に入るか、第2期の症状が再燃することがあります。
  • 感染から年余を経ると、心血管梅毒、ゴム腫、進行麻痺や脊髄癆といった後期神経梅毒などの第3期梅毒に至ることがあります。
  • 病期は、感染力が強いとされる感染後1年以内の「早期梅毒」と、感染後1年以上の「後期梅毒」に大別されます。
  • 症状の有無や罹患臓器により、潜伏梅毒、神経梅毒、眼梅毒、耳梅毒、妊娠期梅毒、先天梅毒などにも分類されます。

推奨

  • 梅毒の診断は、血清中の梅毒抗体(非トレポネーマ脂質抗体であるRPRと、梅毒トレポネーマ抗体)を測定することが現実的です。
  • RPRと梅毒トレポネーマ抗体は、測定誤差の少ない自動化法で同時に測定することが推奨されます。
  • RPRが陰性で梅毒トレポネーマ抗体のみが陽性の早期梅毒の報告があるため、診断には特異性の高い梅毒トレポネーマ抗体の陽性を重視することが推奨されます。