股関節痛(診察手順含む)

概要・推奨

概要

  • 股関節痛は、鼠径部、側方部、臀部、大腿部など広範囲に自覚される症候であり、その原因は関節内病変、関節外の軟部組織病変、さらには腰椎や骨盤内臓器からの関連痛まで多岐にわたります。
  • 診療においては、まず「本当に股関節由来の痛みか」を評価し、次いで外傷の有無や全身症状(発熱、体重減少)を確認して緊急性の高い疾患を抽出することが不可欠です。
  • 診察では、詳細な解剖学的指標に基づく触診と、可動域評価、およびインピンジメントテストなどの特殊テストを体系的に組み合わせることで、原因部位を絞り込みます。
  • 高齢者の荷重不能を伴う急性痛や、発熱を伴う自律痛、夜間痛などは、早期の専門的介入を要する重要なサインとなります。

推奨

  • 股関節痛を訴える患者に対しては、疼痛の局在(鼠径部、大転子部、臀部など)を明確にし、歩行観察を含む身体診察を最初に行うことを推奨します。
  • 外傷機転がある場合や、安静時痛・夜間痛を伴う場合は、骨折や感染、腫瘍の可能性を念頭に、速やかに画像検査を実施することを推奨します。
  • 診察においては、パトリックテストや前方インピンジメントテストなどの誘発試験を行い、関節内病変の有無を評価することを推奨します。