クッシング症候群

概要・推奨

概要

  • クッシング症候群は、副腎皮質から分泌されるホルモンであるコルチゾールが慢性的に過剰となることで引き起こされる病態です。
  • 原因は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の過剰分泌によるACTH依存性と、副腎自体の異常によるACTH非依存性に大別されます。
  • ACTH依存性には、下垂体腺腫が原因のCushing病と、下垂体以外の腫瘍からACTHが産生される異所性ACTH症候群があります。
  • ACTH非依存性には、副腎腺腫、副腎癌、両側副腎皮質過形成などがあります。
  • 血中コルチゾールの基礎値が正常で、典型的な臨床徴候を欠くものの、軽微なコルチゾールの自律性分泌を認める病態は、サブクリニカルクッシング症候群(SCS)とよばれます。
  • 特徴的な身体所見として、満月様顔貌、中心性肥満、皮膚の菲薄化、赤色皮膚線条、皮下溢血などが挙げられます。
  • 高血圧、耐糖能異常、脂質異常症、骨粗鬆症などの合併症を高頻度に認めます。
  • わが国における1997年の全国調査では、Cushing症候群の推定患者数は1,250人で、そのうち副腎腺腫が約53%、Cushing病が約37%を占めていました。

推奨

  • クッシング症候群が疑われる場合、まず外因性グルココルチコイドの使用歴がないかを確認することが推奨されます。
  • スクリーニング検査として、24時間尿中遊離コルチゾール測定、低用量デキサメタゾン抑制試験、深夜の血清または唾液コルチゾール測定が推奨されます。
  • 病型診断のためには、血漿ACTH濃度の測定が推奨されます。これにより、ACTH依存性かACTH非依存性かを鑑別します。