舌・口腔悪性腫瘍
概要・推奨
概要
- 口腔癌は、口唇(口唇粘膜)を含む口腔粘膜に発生する悪性腫瘍で、舌、口腔底、頬粘膜、歯肉(上・下)硬口蓋、軟口蓋などに分類され、舌に発生するものが最も多いです。
- 組織型はほとんどが扁平上皮癌で、90%以上を占めます。
- 前がん病変として白板症や紅斑症が知られており、白板症の悪性転化率は概ね3〜8%程度と報告されています。紅斑症はより悪性転化率が20~68%と高率で、初回生検時に51%が浸潤癌であったとの報告があります。
- 腫瘍の深達度(DOI)が大きいほどリンパ節転移の頻度が高くなり、予後に影響を与えます。
- 罹患の主なリスク因子は喫煙と飲酒であり、これに加えて咀嚼物、慢性機械刺激、口腔衛生状態、栄養要因などが関連因子として挙げられます。。
- 診療では、視診や触診、内視鏡検査、画像診断(CT、MRI、超音波検査など)により原発巣の進展範囲やDOIを確認します。最終的な診断は組織生検によって確定します。
- 転移の有無はCTや超音波検査、必要に応じてPET-CTで評価し、頭頸部を含めた重複癌の検索も重要です。
推奨
- 切除可能な舌・口腔癌では手術が治療の基本です。一方、早期例の一部では組織内照射が選択肢となり、また医学的理由や患者希望により手術を行わない場合には、放射線治療(±化学療法)を含む治療選択を検討します。。
- T1-2N0症例では、原発巣切除が基本となります。頸部については、腫瘍の深達度などから潜在転移リスクが高い場合に予防的(選択的)頸部郭清を検討します。深達度に関しては、3-4mm以上を一つの目安として予防的頸部郭清の施行を考慮します。
- T3以上の病変では、リンパ節転移の有無にかかわらず原発巣切除と頸部郭清術が行われることが一般的です。