骨髄異形成症候群

概要・推奨

概要

  • 骨髄異形成症候群(MDS)は、未熟な造血細胞に生じた異常が原因で、無効造血、血球の形態学的異形成、末梢血の血球減少を特徴とする骨髄系造血器腫瘍です。
  • 一部は急性骨髄性白血病(AML)へ移行するリスクがあります。
  • 高齢者に多く発症し、加齢が重要な発症リスクと考えられています。
  • 診断は、WHO分類(2017)を用いて行われ、持続的な血球減少、骨髄や末梢血の芽球割合、造血細胞の形態学的異形成、染色体異常などに基づいてなされます。
  • 近年では、SF3B1などの遺伝子変異の情報も診断の一部に組み込まれています。
  • 臨床経過が多様であるため、治療方針の決定には予後予測が必須であり、主に改訂国際予後スコアリングシステム(IPSS-R)が用いられます。
  • 治療は、低リスク群と高リスク群に層別化して方針が決定されます。低リスク群では血球減少に対する支持療法が中心となり、高リスク群では疾患の進行抑制を目指した治療が行われます。
  • MDSに対する唯一の根治療法は同種造血幹細胞移植です。
  • 薬物療法としては、特定の病態に対してアザシチジンやレナリドミドなどが用いられます。

推奨

  • MDSの予後予測には、複数の臨床因子を組み合わせた国際予後スコアリングシステム(IPSS)やその改訂版であるIPSS-Rが推奨されます。特に、多くの検証でIPSS-Rが優れた予後予測能を持つことが示されています。
  • 治療方針は、これらの予後予測システムを用いて低リスク群と高リスク群に層別化して決定することが推奨されます。
  • 1年以上の予後が見込まれる低リスクMDSで、赤血球輸血による鉄過剰状態にある場合には、鉄キレート療法が推奨されます。