抗癌剤による口内炎の予防と対応
概要・推奨
概要
- 抗がん剤による口内炎(口腔粘膜炎)は、口の中の粘膜に起こる炎症性変化総称です。
- 抗がん剤による粘膜上皮細胞への直接的な障害や、障害された部位に起こる二次的な感染がその主な発生原因です。殺細胞性抗がん剤だけでなく、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬でも発生することがあります。
- 主な自覚症状には、口の中が痛い、粘膜から出血する、熱いものや冷たいものがしみる、口の中が乾燥する、口の中が赤くなる・腫れる、ものが飲み込みにくい、飲み込んだ時に痛い、味覚が変化するなどがあります。
- 頻度の高い薬物療法としては血液腫瘍に対する移植前の化学療法やエベロリムスをはじめとするmTOR阻害薬、代謝拮抗薬である5‑フルオロウラシル(5-FU)、EGFR遺伝子変異陽性肺癌に対するチロシンキナーゼ阻害薬などがあります。
- 発現頻度はリスクの高い治療においては約70-80%、一般的な殺細胞性抗がん剤においても約20-40%と報告されており、発現頻度の高い有害事象です。
- 抗がん剤の投与後、数日から10日目頃に発現することが多く、概ねどの治療でも時期は類似しています。
- 口内炎の症状はQOL(生活の質)を低下させる可能性があり重症化するとパフォーマンスステータスの低下やがん治療の継続に影響を及ぼすことがあります。
推奨
- 口内炎は予防が重要であり、治療開始前から口腔衛生管理(口腔ケア)を受けることが望ましいです。
- 歯牙のブラッシングや含嗽(うがい)により口腔内を清潔に保つことが、二次感染の予防や重症化の予防に役立ちます。