妊娠悪阻
概要・推奨
概要
- 「つわり」、すなわち、妊娠初期の悪心・嘔吐は半数以上の妊婦にみられ、体重減少、脱水、電解質異常などを呈する「妊娠悪阻」は全妊婦の0.5~2%に発症します。
- 妊娠16週以降の発症例や妊娠後半まで症状が継続する場合は、他の疾患の可能性も考慮されます。
- 心身の安静と休養、少量頻回の食事や水分摂取が症状を和らげます。
- 皮膚や口腔内乾燥など脱水の理学的所見が認められる場合、5%以上の体重減少があり経口水分摂取ができない場合や、尿中ケトン体強陽性が続く場合などには輸液を行います。
- 輸液の際には、Wernicke脳症を予防するため、ブドウ糖を含んだ輸液にビタミンB1(thiamine)を補充します。
- ビタミンB6(pyridoxine)の経口投与が「つわり」症状の緩和に有効であるという報告があります。
- 制吐薬は、妊娠中の使用に関連した明らかな催奇形性や胎児毒性は報告されていません。
- 妊娠悪阻は静脈血栓塞栓症のリスク因子であり、十分な飲水や補液で発症予防に努めることが重要です。
- 妊娠悪阻では、妊娠による生理的変化と嘔吐によって低カリウム血症に陥りやすいことに留意します。
推奨
- 心身の安静のために休養を取ることが症状緩和につながることなどを説明し、少量頻回の食事摂取と水分補給を促すことが推奨されます。
- 脱水に対しては、ブドウ糖を含んだ輸液にビタミンB1(thiamine)を添加し十分に輸液することが推奨されます。
- 悪心の緩和に、ビタミンB6(pyridoxine)を投与することが考慮されます。