膵・胆管合流異常(先天性胆道拡張症を含む)
概要・推奨
概要
- 膵・胆管合流異常とは、解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常のことです。
- この異常により、十二指腸乳頭部括約筋の作用が膵胆管合流部に及ばないため、膵液と胆汁が相互に逆流し、胆道癌や膵炎などさまざまな病態が引き起こされます。
- 先天性胆道拡張症とは、総胆管を含む肝外胆管が限局性に拡張する先天性の形成異常で、膵・胆管合流異常を合併するが胆管拡張を伴わない膵・胆管合流異常(胆管非拡張型)も存在する点に留意が必要である。また肝内胆管の拡張を伴う場合もあります。
- 疫学的には、欧米に比して東洋人に多い疾患で、日本では約1,000人に1人に認められます。男性に比べて女性に約3倍多く、特に若年の女性に多く見られます。
- 主な病態として、膵管内圧が胆管内圧より高いために生じる膵液の胆管への逆流があり、これが胆道粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、胆道癌の発症につながることが臨床的に重要です。
- 小児例では、膵液中の蛋白が逆流して形成される蛋白栓が原因で、腹痛や高アミラーゼ血症を生じやすいとされています。
推奨
- 膵・胆管合流異常や先天性胆道拡張症の診断において、非侵襲的で診断能が高いMRCP検査を行うことが推奨されます。診断の補助として、MD-CT、DIC-CT、EUS、胆汁中アミラーゼの測定を行うことも推奨されます。
- 診断が確定した後は、発癌リスクなどを考慮し、速やかな手術が必要であり、無治療での経過観察は推奨されません。
- 小児の有症状例では、灰白色便や黄疸などの症状が生じた場合は速やかな手術が推奨されます。一方、無症状例に対する早期手術(新生児期)の有用性については、現時点で明確な推奨はありません。