単純性先天性心疾患
概要・推奨
概要
- 単純性先天性心疾患は、心室中隔欠損(VSD)、心房中隔欠損(ASD)、動脈管開存(PDA)など、比較的構造が単純な先天性心疾患を指します。
- 心臓血管外科治療の進歩により、現在では先天性心疾患患者の90%程度が成人期に達するようになりました。
- 成人先天性心疾患の患者数は小児の患者数を上回っており、軽症および中等症の患者が全体の約76%を占めています。
- ASDのように、成人期になって初めて、無症状のまま健康診断などで発見される疾患もあります。
- たとえ軽症であっても、また手術で修復された後でも、成人期以降に心不全、不整脈、感染性心内膜炎、肺高血圧などの後期合併症を発症するリスクがあります。
- 修復術後には、手術前から認められ術後も持続する異常である「遺残症」や、手術に伴って新たに生じる異常である「続発症」が問題となることがあります。
- このため、修復術を受けた後も、生涯にわたる定期的な専門医による経過観察が必要です。
推奨
- 心房中隔欠損(ASD)では、右心系の容量負荷を認める場合、症状がなくても心不全や不整脈を予防する目的で欠損孔の閉鎖術が推奨されます。解剖学的に適した二次孔型ASDにはカテーテル治療が、一次孔型や静脈洞型には外科的治療が推奨されます。
- 心室中隔欠損(VSD)では、左心室の容量負荷が認められる場合、症状が乏しくても外科的治療が推奨されます。
- 動脈管開存(PDA)では、左心室の容量負荷や心雑音を認める場合、心不全や感染性心内膜炎のリスクを考慮して閉鎖術が推奨されます。多くの症例でカテーテル治療が第一選択となります。