胸膜炎
概要・推奨
概要
- 胸膜炎は感染や癌などを原因とする胸腔内での炎症であり、通常は胸水貯留をきたします。
- 特に胸腔内に膿が貯留した状態を膿胸と呼びます。
- 肺炎の合併症としての胸膜炎(肺炎随伴性胸水)は比較的多くみられます。原因微生物は、市中肺炎に随伴する場合は肺炎球菌や口腔内レンサ球菌、院内肺炎に随伴する場合は緑膿菌を含むグラム陰性桿菌などが挙げられます。
- 癌性胸膜炎では、症状緩和のために胸腔ドレナージが行われ、胸水の再貯留を防ぐために胸膜癒着術が考慮されます。
- 胸膜癒着術にはタルクやOK-432、一部の抗がん薬などが用いられます。
- 一部の癌性胸膜炎では、分子標的治療薬や細胞傷害性抗がん薬による全身薬物療法が胸水制御に有効な場合があります。
推奨
- 胸腔穿刺やドレナージを行った癌性胸膜炎に対しては、胸水コントロールのために胸膜癒着術を行うことが推奨されます。
- 薬物療法が未治療の一部の癌性胸膜炎に対しては、胸膜癒着術の代わりに特定の全身薬物療法を行うことが推奨される場合があります。
- 膿胸や胸水培養陽性の感染性胸膜炎(複雑性肺炎随伴性胸水)では、抗菌薬治療と並行して、原則として胸水ドレナージを行うことが推奨されます。