項部硬直
概要・推奨
概要
- 項部硬直は、他動的に頸部を前屈させた際に抵抗があり、顎が胸につかない状態を指します。
- 髄膜の炎症や刺激に伴い頸部伸筋群が反射性に収縮することで生じる髄膜刺激徴候の1つであり、くも膜下出血や髄膜炎など生命を脅かしうる頭蓋内疾患を示唆する重要な他覚所見として古くから知られています。
- 診察では、患者を仰臥位にして枕を外し、検者が後頭部を支えて頸部を他動的に前屈させることで抵抗の有無を確認します。
- 鑑別診断には、くも膜下出血、細菌性髄膜炎、ウイルス性髄膜炎などが含まれますが、頸椎疾患や後頸部筋の異常な緊張など、髄膜刺激症状以外の原因でも生じることがあります。また頸椎疾患やパーキンソニスムなど髄膜刺激以外の原因でも頸部の可動域制限が生じるため、所見の解釈には注意が必要です。
- 感度は高くなく、陰性であっても髄膜炎などの疾患を否定する根拠にはなりません。特に乳幼児や高齢者では、髄膜炎が存在していても項部硬直が明らかでない場合があるため、注意が必要です。
推奨
- 項部硬直を認めた場合、生命を脅かす疾患(特にくも膜下出血、細菌性髄膜炎)を念頭に置き、迅速な評価を開始します。
- まずバイタルサインを確認し、意識レベル、瞳孔所見、麻痺の有無などの神経学的所見を評価することが推奨されます。
- 診察では、前屈に特異的な抵抗であることを確認し、頸部全方向の可動域制限との鑑別を意識することが重要です。