ハンチントン病
概要・推奨
概要
- ハンチントン病は、常染色体優性遺伝形式をとる進行性の神経変性疾患です。
- 主な症状は、舞踏運動などの不随意運動、運動障害、精神症状、および認知症状です。
- 原因は、第4染色体短腕に位置するHTT遺伝子内のCAGリピート配列が36回以上に異常伸長することによるものです。これはポリグルタミン病の一つに分類されます。
- 平均発症年齢は30~50歳で、罹病期間は約15~20年です。20歳以下で発症するものは若年型ハンチントン病と呼ばれます。
- 初発症状として頻度が高いのは、運動症状では巧緻障害や舞踏運動、精神症状ではうつや落ち着きのなさなどです。ただし、詳しく問診すると、性格や行動の変化が不随意運動に先行していることも少なくありません。
- 日本の有病率は10万人あたり0.7人と推定されており、欧米のコーカソイドと比較して低いとされています。
- 本疾患は全身病として捉えられており、貧血、骨粗鬆症、内分泌障害などを伴うことがあります。
- 根本的な治療法は確立されておらず、対症療法が中心となります。舞踏運動に対してはテトラベナジン、精神症状に対しては抗精神病薬や抗うつ薬などが用いられます。
- 死因としては、窒息、誤嚥性肺炎、低栄養、自殺の頻度が高いことが知られています。
推奨
ハンチントン病が疑われる場合、確定診断のために遺伝子診断を実施することが推奨されます。遺伝性の舞踏運動を認める場合には、まずハンチントン病の除外診断を行い、陰性であった場合に他の疾患の鑑別診断を行うことが推奨されます。
- 運動症状のうち、純粋な舞踏運動に対しては、テトラベナジンの投与が推奨されます。精神症状や行動障害を伴う舞踏運動に対しては、非定型抗精神病薬やベンザミド系薬物が第一選択薬として推奨されます。