膿胸
概要・推奨
概要
- 膿胸は、胸腔内に貯留した液が肉眼的に膿性あるいは膿様性になった状態で、貯留液からの菌の証明は必ずしも必要としません。
- 発症からの期間がおおむね3か月以内のものを急性膿胸、それ以上の経過を慢性膿胸と分類します。
- 病理学的には、結核性以外の膿胸において、滲出性期(Stage 1)、線維素膿性期(Stage 2)、器質化期(Stage 3)の3病期に分類されます。
- 肺炎に伴う胸水(肺炎随伴胸水)の多くは抗菌薬のみで治療可能ですが、一部が膿胸に進行します。
- 主な原因は、肺実質の感染症、胸壁切開後の合併症、腹部からの感染波及、食道破裂、血行性感染などです。
- 糖尿病やアルコール依存症などの基礎疾患があると発生率が高くなります。
- 起因菌は肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、腸内細菌、嫌気性菌などであり、約3〜4割は嫌気性菌が関与する混合感染です。
- 高齢者や基礎疾患、栄養不良を有するなど、特定の条件下での死亡率は27〜70%と高率です。
- ドレナージの必要性は画像所見のみでは判断できず、胸腔穿刺が診断の基本となります。ドレナージの遅れは予後に重大な影響を与えます。
推奨
- 急性膿胸には、掻爬術や剥皮術(胸腔鏡下、開胸下を含む)を行うことが推奨されます。
- 慢性膿胸では、胸腔ドレナージで肺が膨張しない場合に膿胸嚢除去術が、それが困難な場合に膿胸腔閉鎖術が、一期的根治術が困難な場合に開窓術が提案されます。
- 術後膿胸に対しても、膿胸腔閉鎖術や開窓術が提案されます。