肝癌(薬物療法)

概要・推奨

概要

  • 2008年にソラフェニブがプラセボと比較して生命予後を改善することが示されたことが、肝細胞癌に対する薬物療法における最初のエビデンスとなりました。
  • その後、一次薬物療法としてレンバチニブ、さらに免疫チェックポイント阻害薬と血管新生阻害薬の併用であるアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法、免疫チェックポイント阻害薬同士の併用であるトレメリムマブ+デュルバルマブ併用療法、ならびにデュルバルマブ単剤療法が登場しました。
  • ソラフェニブ治療後の二次薬物療法としては、レゴラフェニブ、ラムシルマブ、カボザンチニブが生存期間の延長を示しました。一方、近年は一次治療として複合免疫療法が広く用いられており、二次薬物療法以降は前治療レジメンに応じた逐次治療として選択することが重要です。
  • 現在、本邦では一次薬物療法として、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法、トレメリムマブ+デュルバルマブ併用療法、デュルバルマブ単剤療法、レンバチニブ、ソラフェニブが用いられており、さらに2025年6月にはニボルマブ+イピリムマブ併用療法が切除不能肝細胞癌に承認されました。二次薬物療法以降は固定的にレジメン数で整理するより、前治療に応じた逐次治療として理解することが重要です。
  • 日本では、肝内進行例に対して肝動注化学療法も行われてきています。

推奨

  • 薬物療法は、外科切除や肝移植、穿刺局所療法、肝動脈化学塞栓療法(TACE)などが適応とならない進行肝細胞癌で、performance statusが良好かつ肝予備能が良好なChild-Pugh分類Aの症例に行うことを推奨します。
  • 切除不能進行肝細胞癌の一次薬物療法には、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法、またはトレメリムマブ+デュルバルマブ併用療法を推奨します。
  • ベバシズマブ併用療法が適さない場合でも、複合免疫療法が可能であればトレメリムマブ+デュルバルマブ併用療法を考慮します。複合免疫療法自体が適さない場合は、ソラフェニブ、レンバチニブ、またはデュルバルマブ単剤による治療を推奨します。