重症頭部外傷
概要・推奨
概要
- 重症頭部外傷は、外力によって生じる脳の重篤な損傷であり、外傷による死亡や重度の後遺症の主要な原因です。
- 脳損傷は、受傷時に直接脳組織が破壊される一次性脳損傷と、その後に生じる二次性脳損傷に分類されます。
- 治療の目標は、二次性脳損傷を予防し、最小限に抑えることです。
- 二次性脳損傷は、頭蓋内血腫や脳浮腫による頭蓋内圧亢進などの頭蓋内因子と、低血圧や低酸素血症などの頭蓋外因子によって引き起こされます。
- 初期診療では、気道確保、呼吸・循環管理を最優先し、頭蓋外因子による二次性脳損傷を回避することが極めて重要です。
- 重症頭部外傷は、一般的にグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)の合計点が8点以下の場合と定義されます。
推奨
- 初期診療では、気道、呼吸、循環の安定化を最優先し、低酸素血症(SpO₂ 90%未満)と低血圧(収縮期血圧 90 mmHg未満)を回避することが推奨されます。
- 意識レベルの急速な悪化や瞳孔不同などの脳ヘルニア徴候を認める「切迫するD」と判断した場合は、呼吸・循環動態を安定させた後、速やかに頭部CT検査を行うことが推奨されます。
- 重症頭部外傷の管理では、頭蓋内圧(ICP)を測定し、治療の目標を20 mmHg以下とすることが勧められます。