腫瘍崩壊症候群

概要・推奨

概要

  • 腫瘍崩壊症候群(TLS)は、腫瘍細胞が急激かつ大量に崩壊し、細胞内の物質が血中に放出されることで生じます。
  • 主に高尿酸血症、高カリウム血症、高リン血症、低カルシウム血症といった代謝異常をきたし、これに伴い低カルシウム血症も生じ、腎不全、不整脈、痙攣などを引き起こし、時に致死的となるため「oncologic emergency」の一つとされています。
  • TLSは、検査値異常のみを認める「Laboratory TLS」と、腎不全や不整脈などの臨床症状を伴う「Clinical TLS」に分類されます。Clinical TLSの発症予防が重要です。
  • 従来、TLSはバーキットリンパ腫のような薬剤感受性の高い造血器腫瘍で多くみられました。
  • 近年、固形腫瘍や慢性リンパ性白血病など、これまでTLSのリスクが低いと考えられていた疾患でも、分子標的治療薬などの新規薬剤の登場によりTLSの発症が報告されるようになっています。
  • 遺伝子組み換え型尿酸オキシダーゼ製剤(ラスブリカーゼ)の登場により高尿酸血症の管理が良好になった一方で、相対的に高リン血症の管理が重要となり、TLSは高尿酸型から高リン型へ質的に変化してきています。

推奨

  • TLSの診断には、簡便で汎用性のあるTLS panel consensusの診断規準の使用が推奨されます。
  • TLSのリスク評価は、「Laboratory TLSの有無」「疾患によるTLSリスク分類」「腎機能によるTLSリスク調整」の3ステップで実施し、リスクに応じた予防処置を行うことが推奨されます。
  • TLS予防における尿のアルカリ化は、リン酸カルシウム結晶の析出を促し腎障害を増悪させる可能性があるため、推奨されません。