凝固傾向
概要・推奨
概要
- 凝固傾向とは、静脈や動脈に血栓が生じやすい病的状態を指し、血栓性素因とも呼ばれます。
- 原因は、先天性のものと後天性のものに大別されます。
- 先天性の主な原因として、アンチトロンビン(AT)欠乏症、プロテインC(PC)欠乏症、プロテインS(PS)欠乏症などの凝固制御因子の欠損が挙げられます。
- 後天性の原因として、長期臥床や手術(特に腹部・骨盤・整形外科手術)、悪性腫瘍、妊娠、外傷、感染症などが挙げられます。
- 薬剤では、経口避妊薬やホルモン補充療法がリスク因子となります。
- 代表的な後天性血栓性素因として、自己免疫疾患である抗リン脂質抗体症候群(APS)があります。
- 50歳以下の若年者で発症する静脈血栓症、再発性の血栓症、家族歴のある血栓症、まれな部位(脳静脈洞、門脈など)に発症する血栓症、明らかな誘因のない血栓症を認める場合には、血栓性素因を疑います。
推奨
- 血栓性素因が疑われる患者さんでは、先天性および後天性の原因を検索することが推奨されます。
- 先天性血栓性素因のスクリーニング検査として、アンチトロンビン、プロテインC、プロテインSの血中活性の測定が推奨されます。
- 後天性血栓性素因、特に抗リン脂質抗体症候群(APS)の検索として、ループスアンチコアグラント(LA)、抗カルジオリピン抗体、抗β2グリコプロテインI抗体の測定が推奨されます。