肺動脈弁閉鎖不全

概要・推奨

概要

  • 軽度の肺動脈弁閉鎖不全症(PR)は、正常な肺動脈弁においても頻繁に認められますが、高度なPRは稀な弁膜症です。
  • 重症PRを生じる器質的異常の原因としては、四尖弁、二尖弁、低形成などの先天性異常が多いです。
  • ファロー四徴症の肺動脈弁形成術後にPRは頻繁に認められ、PRによる右室機能不全が予後に影響します。
  • その他の原因として、感染性心内膜炎、カルチノイド症候群、リウマチ性心疾患、パーキンソン病治療薬、胸部鈍的外傷などが挙げられます。
  • 二次性PRの原因としては肺高血圧症が挙げられます。
  • PRの重症度評価には心エコー図検査が用いられますが、有用性は限定的です。
  • 心エコー図検査では、逆流ジェット幅と肺動脈弁輪径の比が0.7以上で重症PRが示唆されます。また、連続波ドプラ法では圧半減時間(PHT)が100ミリ秒未満であることが重症PRに関連します。
  • 心臓MRI検査は最も優れたPRの定量評価法であり、逆流率が40%を超えると重症に分類されます。
  • PRの重症度は、心エコー図検査の複数の指標や、評価が困難な場合には心臓MRI検査の結果を加えて総合的に評価されるべきです。

推奨

  • 症状のある肺動脈弁閉鎖不全症(PR)は外科治療の適応となります。
  • 肺動脈弁狭窄症(PS)に対する治療後の中等症以上の有症候性PRに対して、肺動脈弁置換術は推奨されます。
  • 無症状であっても、中等症から重症の右室拡大や右室機能低下を呈する場合の手術は妥当です。