非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

概要・推奨

概要

  • 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、主にメタボリックシンドロームに関連する諸因子とともに、組織診断あるいは画像診断にて脂肪肝を認めた病態であり、アルコール性肝障害、ウイルス性肝疾患、薬物性肝障害など他の肝疾患は除外されます。
  • NAFLDは、病態がほとんど進行しない非アルコール性脂肪肝(NAFL)と、進行性で肝硬変や肝癌の発症母地にもなる非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に分類されます。
  • 肝臓の脂肪沈着は、組織学的に5%以上を有意とします。
  • NASHは、病理診断による脂肪変性、炎症、肝細胞傷害(風船様変性)が特徴です。
  • NAFLとNASHは相互に移行することがあり、NAFLの一部も線維化が進行することがあります。
  • 飲酒量の上限は、エタノール換算で男性30g/日、女性20g/日が基準です。
  • 生命予後に最も関連する病理所見は肝線維化であり、その程度に応じて経過観察方法や治療法を考慮する必要があります。
  • NASH肝硬変の中には、進行とともに脂肪変性や風船様変性などのNASHの特徴が消失する、いわゆるburned-out NASHを呈するものもあります。

推奨

  • 肥満や2型糖尿病の患者には、NAFLD/NASHのスクリーニングとして腹部超音波検査と採血による肝機能検査を行うことが提案されます。
  • NAFLDのスクリーニング法としては超音波Bモードが推奨されます。vibration-controlled transient elastography(VCTE)でのcontrolled attenuation parameter(CAP)法またはMRIによる脂肪定量が可能な場合には、その使用は有用です。
  • 肝線維化進行度の評価には、血液学的バイオマーカーやスコアリングシステム(特にFibrosis-4 indexとNAFLD fibrosis score)の使用が推奨されます。