適応障害(適応反応症)
概要・推奨
概要
- 適応障害は、精神科において最も診断されやすい疾患の一つとされています。
- 一般人口における有病率は1~2%ですが、精神科コンサルテーションでは約50%に達すると報告されています。
- この背景には、「環境による心理的反応」という疾患概念が単純であることや、うつ病や不安症の診断基準を満たさない多様な病態を包含する「ゴミ箱的診断」として用いられてきた問題があります。
- 診断基準は歴史的に変遷しており、DSM-IIIでは不安症に分類されたことで診断が拡大しましたが、DSM-5ではストレス関連障害のカテゴリーに戻されました。
- ICD-11では「適応反応症」とされ、DSM-5の適応障害と比較して、ストレス因やその結果にとらわれること(反芻や過度の不安など)を症状として重視するなど、よりストレス関連障害としての特性が明確化されています。
推奨
- 治療は、環境調整、支持的精神療法と対症的な薬物療法を併用することが現実的です。
- 薬物療法については、質の高いエビデンスは確立していませんが、非ベンゾジアゼピン系抗不安薬や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの抗うつ薬が有効である可能性が示唆されています。
- ベンゾジアゼピン系薬剤は依存や離脱症状のリスクがあるため、使用は控えることが望ましいとされます。