虚血性心不全
概要・推奨
概要
- 虚血性心疾患は、わが国の左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)の主要な原因疾患の一つであり、その割合は増加傾向にあります。
- 心不全の基礎疾患として虚血性心疾患は27~35%を占め、最も多い原因となっています。
- 治療には薬物治療と非薬物治療があり、特に血行再建術が検討されます。
- 左室駆出率が35%以下の虚血性心筋症患者において、至適内科的治療に加えて冠動脈バイパス術(CABG)を行うと、10年間の追跡で全死亡、心血管死、および心血管イベントによる入院が減少することが示されています。
- 一方で、至適内科的治療に加えて経皮的冠動脈形成術(PCI)を行っても、全死亡あるいは心不全入院において、至適内科的治療のみと比較して有益性は示されませんでした。
推奨
- 新規発症の心不全患者に対して、冠動脈疾患の合併を評価することが推奨されます。
- 冠動脈疾患を合併する心不全患者には、心血管イベントを減少させるために、低用量アスピリンによる抗血栓療法と目標値を目指した脂質低下療法を行うことが推奨されます。
- 至適薬物療法にもかかわらず狭心症症状が持続する患者で、血行再建術に適した冠動脈形態である場合、症状を緩和するために冠動脈血行再建術を行うことが推奨されます。