睡眠時無呼吸症候群
概要・推奨
概要
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠関連呼吸障害(SRBD)に含まれる病態で、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)に大別されます。一般的にはOSASがSASと記されることが多いです。
- OSASは成人型と小児型に分けられ、CSASにはチェーンストークス呼吸(CSB)を伴うものなど現状で8病態があるとされています。
- 睡眠関連呼吸障害(無呼吸低呼吸指数[AHI]が15以上)の有病率は、50歳代の女性で10%弱、男性で10~20%程度とされています。日中の過度の眠気などの症状を伴うSASとして定義した場合の有病率は、男性で5%前後、女性で2~3%とされています。
- 中枢性睡眠時無呼吸(CSA)の有病率は健常な一般成人では男性で約1.0%、女性で約0.1%ですが、心不全患者では11.7~49%と高くなります。
- OSASの主な発症因子は肥満、性差(男性に多い)、加齢ですが、最も重要な因子は肥満です。解剖学的に狭小な上気道が、睡眠中の上気道開大筋群の活動低下により閉塞することが基本的な病態です。
- CSBは、心不全などに伴う肺うっ血や換気応答の亢進など、複数の因子によって呼吸調節が不安定になることで発生します。
- SASは高血圧、2型糖尿病、心不全などの循環器疾患の発症や増悪に関与します。一方で、心不全がSASを悪化させることもあり、両者は双方向性に関連しています。
推奨
- いびきや日中の眠気などの自他覚症状、あるいは質問紙は閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)を疑うきっかけとなりますが、診断の根拠とすることは推奨されません。
- OSASと中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)の確定診断には、標準検査である終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)の実施が推奨されます。
- 明確な併存疾患がなく中等度から重症のOSASが疑われる場合は、PSGの代替として簡易モニターを用いた診断が提案されます。しかし、簡易モニターはCSASの診断には使用しないことが推奨されます。